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女川さいがいFM☆中の人かく語り記

A small small radio station was born in the town which suffered destroying damage by the past which isn't so far, 2011 and a tidal wave.

最近のお問い合わせについて

女川さいがいFMには、番組宛のリクエストやメッセージ以外にも、毎日のようにたくさんのメールやTwitter、あるいは電話で様々な世代の方からお問い合わせやご連絡をいただきます。

よく勘違いされているようですが、女川さいがいFMは会社組織ではなく、いまもなおボランティア・有志による任意団体です。ので、FMの仕事を専業として「雇用」されているスタッフは3名のみ。その彼らの給与も、宮城県による助成金から支払われており、一年ごとに継続できるかハラハラドキドキ綱渡りというのが実情です。皆さんからいただいている寄付金はスタジオの電気代、光熱費、取材のガソリン代などその他、放送を維持するための経費を賄うために使わせていただいています。もちろん、そちらも正直ギリギリです。

当然、彼らだけでは放送は廻りませんので、それを高校生を含むパート・ボランティアスタッフ(大人2名、中高生5名)の力を借りたり、さらに事務方や技術面では東京から遠隔で、あるいは毎週通っている運営スタッフ3名+初期から応援してくれているボランティアスタッフ若干名で切り盛りしています。

当然ボランティアはそれぞれに仕事や学業がありますので、人数はいても=一人分の仕事ができるはずはなく、また24時間、放送を廻していくにはギリギリ以下の人数と体制です。なので、メールや電話についても、誠に申しわけないのですが、対応が追いつけず、少しお待たせする場合もあります。

多いのは「今かかってたのはなんて曲?」とか「さっき話していた内容について詳しく知りたい」といった問い合わせ、町内でお店をやっている方から「いついつバーゲンやるからお知らせしてほしい。」といったもの。

ついで遠方からインターネットを経由して聞いておられる方から、「いついつ女川町に行ってみたい、ぜひスタジオ見学に行きたいが構わないだろうか?」といった問い合わせ。あとは新聞や雑誌、テレビ局の方からの取材・問い合わせ。

それらはすべてFMの活動に関わるモノですから、当然対応させていただくのですが・・、最近はまた、それらとは違う問い合わせやご連絡が増えていますので、そのへんについて触れてみたいと思います。

 

その1.女川町や他の被災地の他団体宛、特定個人に関する問い合わせ及びご意見

女川町内の他団体や、特定の個人と連絡を取りたい方から、それを仲介してほしいといった問い合わせが増えています。

それらの団体や個人が、webサイトやSNSを持っているケースもあるのですが、PCやスマホの扱いに慣れておらず、それらが「見つけられなかった」あるいは「メールは面倒くさい。」ので、「電話番号が公開されているFMさんに電話をした。」というパターンが多いようです。

さいがいFMは、女川町に関するあらゆる情報発信基地でありたいと活動はしておりますが、別にそれは個人情報を漏らすことではありません。一応、内容を伺った上で可能な範囲で対応はさせていただいていますが、まずはきちんと直接の連絡先がないかなどよく調べていただけたらと思っています。

また、特にこの春のJR女川駅再建以降、テレビや新聞などの報道で「女川町は復興が進んでいる」という風に持ち上げられることが多いせいか、それらに登場した団体や個人の発言についての問い合わせや意見をいただく場合もあります。それらについても、(さいがいFMの番組内で発言したものであれば別として)正直申せば、私共の方に送られても・・というのが本音です。

また、こうした問い合わせやご連絡をくださる方に話を伺ってみると、そうした方の大半は実際に女川町(や被災地)に訪れたことはない、東北以外の地域の方であるようです。当然、女川さいがいFMの放送も聞いたことはない方です。(そのせいかもしれませんが、中には女川町ではなくて、他の被災地の団体、企業、個人の方とごっちゃにされている場合もあったりします。)

報道されているのはあくまでテレビ局や新聞社によって切り取られた一面でしかなく、そうした団体・人物の発言も、それだけで語れるものではありません。実際の女川町も、他の被災地も、復興へはまだ遠い道のりがありますし、課題も問題も抱えています。そのためにも、私達は地元へ向けた放送活動の他に、女川町の現状を広く全国の方に知って頂きたいと、インターネットや、全国のラジオ局への番組や情報・一部コンテンツの提供などの活動も行っていますし、日々、「一度、女川町にきてみてください。」と呼びかけているわけです。

わざわざ、さいがいFMのホームページまで調べて、そこに電話をすることまでできるのなら、その労力で、自分がいま考えていることは果たして正しいのか?と一歩立ち止まり、多面的に情報を集めて「考える」こともできるのではないでしょうか?

「考えた上で」なお、女川町のことが知りたいということであれば、私達にもお手伝いできることはあると思うのですが、最初から「思い込み、結論ありき」だとちょっと厳しいです。

 

その2.被災地へ向けた慰問活動やプレゼント

震災から4年半が経ちますが、今もなお、女川町のみならず、被災地に関心を寄せていただき、「何かできることを」と行動してくださる方がいらっしゃるのは、大変嬉しいことですし、私達の活動自体がそうした方々によって支えていただいています。改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

そうした中、たとえばコーラスグループなど音楽の活動をされている方や、演劇などの活動をされている方などから、仮設住宅などで慰問活動・演奏をしたいとか、あるいは他の地域の例えば農家の方から果物を送りたいとか、自分達のグループで作った手作りの品物などを仮設で暮らしている高齢者の方に送りたいが、やはりどこへ連絡したらよいかわからないということでご連絡をいただくことがあります。

(基本的には、この受付窓口も本来はFMではなく、社会福祉協議会さんの方になりますが、お話をいただいた場合は仲介させていただいています。)

ええと、これについては事前にご連絡いただける場合はまだよいのですが、たまに予告なく、いきなり現物が送りつけられてくる場合もあります。

女川さいがいFM、この春、三度目の移転をして、少し広くなりました・・とはいえ、プレハブ・仮設の建物であることは変わらず、また畳でいえば8畳くらいの中に放送機材から何からを詰め込んでいるわけでして物理的スペースもありません。(実質倉庫分がなくなったので、病院時代より狭くはなっています。)

特に果物などがいきなり大量に送られてきた場合、まず、保管で困ってしまいます。もちろん、そういうときは町内の各団体さんにご協力いただくなどしています。

慰問活動についても実は同じで、(旅芸人のように)事前に予告なく、フラリと現れて、「いまちょうど近くまできているので、これからやらせて欲しい」、あるいは番組に出演させてほしいという感じで飛び込みでこられるケースがあります。もちろん、この場合もできる限りは協力しますが、私達もいまはスタッフ不足で1日1回の生放送しかありませんし、それ以外の時間も収録や取材でそれぞれ飛び回っていますので、ご希望に叶えないときもあります。また仮設住宅にしても、せっかく素晴らしい演奏やパフォーマンスであっても、いきなりではお客さんも集まりません。

せっかくお気持ちをいただいても、一部にしか届かなかったりでは、双方にとってもったいないことになってしまうのではないでしょうか?。なので、せめて皆さん、できれば事前にご連絡をいただきたいのです。

物をおくろうと考える前に、まず何をおくるか決める前に、あるいは演奏や慰問にいく日程を決める前に・・。

私達はラジオ局です。ですから、番組宛に一通メールをいただけたらと思います。

自分達はこういう団体(あるいは個人です。)という自己紹介とともに、

今、何をしたら?何を送ったら?

被災地の、仮設住宅にいる人たちは喜ぶのか?助かるのか?

いちど質問してみてください。

余談になりますが、さいがいFMをはじめた頃に、通称”シュワシュワ事件”というのがありました。当時は女川町のほぼ全員が体育館など高台で生き残った公共施設に設けられた避難所で生活していたわけですが、その頃は連日のように全国からのボランティアさんがやってきました。

で、あるときに避難所の、高齢者の方に「いま、なにがほしい?」というテーマでインタビューをして廻ったら「シュワシュワが飲みたい」という声が複数から上がったんです。

シュワシュワ=コーラ、炭酸飲料のことなんですが、要するに避難所に送られてくる支援物資って、水、お茶、珈琲まではあっても、それ以外の飲み物はないと。(一応、健康のためと野菜ジュースも大量にあったのですが・・)

支援物資というと、だいたいそこまでで終わっちゃうんです。でも、毎日それしか飲めない生活をしていると、高齢者の方だって、たまにはシュワシュワしたものも飲みたいよね-。と

でも、支援物資を送る側には「とにかく水が大事だ」とか思い込んでいて、高齢者にも炭酸飲料とかジュースが好きな人もいるという視点が抜けちゃってたんですね。

それでFMで、「シュワシュワが欲しいそうです。○○避難所に行かれる方はぜひ差し入れを」と告知したら、それ以降、大量にシュワシュワが届くようになったり、ドリンクバーの炊き出しをするグループが現れたりという動きに繋がって、喜ばれたことがありました。

これは一例ですが、このように、私達が現地の声を、ニーズをヒアリングして、皆さんにお返しすることもできると思います。双方が喜ぶ結果を出せるのが一番だと思いますし、それならば、私達もお役にたてると思います。

 

 その3.卒論インタビュー・取材

今年はまた特に増えているので改めて・・。

メディアや情報について学んでいる方を中心に、全国の学生の方から「ラジオや、コミュニティFM臨時災害放送局」あるいは「まちづくり・復興」、「復興と地域メディア」といったテーマで卒論やレポートを書きたいので、そのために女川さいがいFMを取材させてほしいという問い合わせをいただくことが多いです。

被災地に、ましてそこで活動している私達のような小さなラジオ局の活動に目を向けてくださること自体は有り難いことですし、もちろんできるだけ協力はしたいと思っています。思っているんですが・・、一時期、あまりにもその問い合わせが多かったときがありまして、そのときは原則お断りしていました。

理由は、その大半が女川町に数日滞在して、じっくり話を聞きたいといった類のものであったことから、まず、物理的にそれに対応できないこと。

(今はJRが再開して少し事情が変わりましたが、それでも女川町内はけっして交通の便もよくなく、また宿泊施設も駅から徒歩圏にはないので、はじめてくる方、特に車をもっていない学生さん、そして女性にはハードルが高かったというのも理由です。)

それとこれはキツイ書き方になってしまいますが「とりあえず行ってから考えよう、調べよう」みたいなスタンスの学生さんが多く、では、「何を聞きたいのですか?調べたいのですか?」と聞いてみると、その大半が「どういう経緯でFMをはじめたのか?」、「どんな番組を放送しているのか?」など、女川さいがいFMのwebサイトや、ネット上で検索すれば簡単に出てくるような過去の新聞記事などですでに書かれているようなこと、ましてラジオはネットからも聞けるわけで、2,3日実際に放送を聞いてみれば理解できるような基本的なことについて、ほとんど下調べをしてこないで話をもちかけられることも多く、それならわざわざ女川に来なくても、それらの記事や資料をちゃんと読んでくれれば「わかります。」という内容がほとんどなのです。

なので、ある時期から、そうした学生さんに対しては、ご希望があれば、これまでの活動についてまとめたり、よくいただく質問に対する回答集といった資料を作ってお送りするようにしました。

(で、これで資料をお送りしたら、それっきり連絡をいただけない場合がほとんどだったりするんですけども(苦笑))

その上で、なお現地に行って、自分の目で、耳で、実際に足を使って感じたい、知りたい、「だから来る」というのでれば、今度は歓迎しますよ。と、その代わり、こちらもあくまで"自分達の放送優先"なので、時間などはこちらの都合に合わせてくださいね。というのが、現在のスタンスです。

この夏も、そうしたやりとりを経て、なお実際のさいがいFMを訪れたいという学生グループが週2,3組はいらっしゃいました。今後もこのように可能な範囲で受け入れていく予定です。「きてよかった」と言っていただけたるのは嬉しいことですから・・

が、中には、そうしたプロセスは無視して、飛び込みや、それに近い感覚で来られる方というのは、一定数いらっしゃいまして、「近くまできたので」とか、「いついつ行くから」とあらかじめ予定を組んでいたり、下手すると新幹線の切符まで買ってしまって、「もう予定が変えられない」みたいな方もいらっしゃいます。が、正直、それはそちら様の勝手でしかありません。

で、特にそうした方に多いのが、事前に現地の交通事情を調べないできてしまって、次に見たい場所への移動ができなくなってしまうこと。

(JRが再開したといっても、1~2時間に1本しかない上に、そこから町の中を結ぶ公共交通はないので、基本、徒歩かタクシーになるのですが、そのことを知らずにきて、破綻してしまう方が多いのです。免許があれば、石巻でレンタカーを借りてくればスムーズな移動ができますが、いまは免許を持っていない人も多いですね。)

特にテレビでよく取り上げられる被災スポットを廻ろうとして予定を組んでいるものの、移動手段や時間を計算していないという場合がほとんどです。

例えば女川町と大川小学校と石巻の中心部をそれぞれ廻ろうとした場合、実際にはそれぞれ10数km離れており、かつ山道を抜けていくしかないような場所も多いので、移動時間を車移動でも40分くらいは見ておかねばなりませんし、バスや徒歩ではそもそも移動そのものが無理という場所もたくさんあります。

うちのスタッフも、それでもはるばる女川まできてくださったのだからと、ついサービスで案内してしまうこともあるのですが、基本的にそれで交通事故などが起きたときの責任の問題もありますし、そもそも仕事の妨げになるので、それをアテにされるのも困るというのが本音です。

都会の常識や当たり前のサービスを、人口実数5000人台、しかも高齢者が大半の集落、ましてや被災地に期待されても困ります。これは学生の方に限りませんし、女川町に限ったことではないと思いますが、お願いですから、まずは「行動」の前に、自分が行く場所がどういう場所なのか、きちんと調べ、充分な準備をしてください。

で、もし、あなたがその準備のために「教えて」ほしいということであれば、私達はいつでも「現地の状況はこうだよ」とお役に立つことができると思います。

 

・・・長々とお読みいただいた皆さん、ありがとうございました。